ヌ かたがみ solar 展示会

紙の作品をつくる「かたがみ」
革の作品をるくる「ヌ」
服づくりの「Solar」
同年代の若手クリエイター3名の展示会を開催します

概要

会期:2021年12月18日・19日 予約制
(ご予約は問い合わせフォームよりご連絡ください)

プロフィール

紙:かたがみ
2020年設立。プロダクトデザイナー小玉良行が主宰する紙にまつわるデザインレーベル。素材や質感に考慮して、紙の新しい魅力や可能性を見出すべく、さまざまなジャンルのクリエイターや職人と製品を開発している。
instagram:https://www.instagram.com/__katagami/

革:ヌ
1992年千葉県生まれ。2010年東京の製靴専門学校入学。2013年埼玉の鞄修理工場就職、2014年修理工場に勤めながら、浅草formeにて1年間のみアルバイト研修。2017年ヌ設立
instagram:https://www.instagram.com/nu__jp/

服:solar
2020年設立。日本人である自分が洋服を作ること、今あるものに対して別角度からの見方を与えることを意識しながら岡山で活動する。生家の母屋を改装し、工場として利用。パターンから縫製までを一貫して手掛けている。
instagram:https://www.instagram.com/solar__pr/

CONCEPT/コンセプト

紙:かたがみ

Q. 紙にどんな可能性を感じているのか、紙をデザインするお仕事に至った経緯を教えてください

A. 美しいものを作りたいと考えてさまざまな素材に触れてみたのですが、質感や手触り、色味や凹凸などが生まれる点で、紙という素材が自分のフィーリングにいちばんフィットしていました。
紙のプロダクトを作ってみて、例えば紙とビニールどちらも同じことができるなら、紙を選んでもよいかもしれないと。これからの時代においてプラスチックに代わる素材として可能性を秘めると感じています。

上:Scratch Envelope  下:写真箱

上:稲葉知子×かたがみによるガラスの石(ガラス作家・稲葉知子さんのオブジェにかたがみが紐を巻いた)
下:Cardborad Notepad

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Q. 作品にする紙を選ぶ時に考えるのはどのようなことでしょうか

A. 私が紙を使うにあたり考えているのは「素朴な表情」や「紙本来の質感や魅力が引き出せている紙」であるかどうかです。また、紙は環境に配慮されたFSC認証紙を使うようにしています。質感はザラザラとしていて、かつ白すぎないものを選ぶことが多いです。今回発表しているダイアリーの紙への印刷もFSC認証の認定を受けた印刷所で、環境に優しいインクを使用した印刷で行っています。

Q. 今回の作品でのコンセプトを教えてください(淡の間さんとのコラボレーションの経緯)

A. 今回は占星術で星読みから占う「淡の間」とダイアリーをデザインをしました。市販の星読み手帳に納得できるデザインが無いという「淡の間」が、独自の手帳をつくりたいと私にデザインを依頼しました。手帳と別添シートを合わせることで星読み手帳に、別添シートを外せば普通の手帳になるというコンセプトです。極めてシンプルで潔いデザイン、環境に配慮した素材使い、使いやすい製本方法。細部までこだわって作っています。

展示作品【aynoma diary 2022】
データのデザインから、素材選び、製本方法などすべてゼロからスタートしたオリジナルのダイアリー。
このダイアリーは、西洋占星術やヨーロッパ発祥の自然療法などを用いてオリジナルのカウンセリングを行っている「淡の間」がカウンセリングに使用する星読み手帳に納得できるデザインの手帳が無かったことを「かたがみ」に相談し、デザイン依頼したことがきっかけとなり生み出された。

環境に優しいFSC森林認証紙(ECFパルプ配合)を使用し、クラフトパルプを配合したざらざらとした力強い紙は、鉛筆、ボールペン、万年筆、どんな筆記具であっても書き心地よい質感。目に優しく 、どんな光源でも対応できる懐の広い紙の色も魅力とのこと。
今回もっとも重視したいちばんの思いは「余計な文字や線、ドットがなく、シンプルで使いやすい」こと。
レイアウトを何度も構成して試作・検証し、人がダイアリーを日常的に認識している感覚を頼りに、できるだけ余計な情報をなくし、より自由な記載が可能なレイアウトが目指されている。

aynoma diary 2022 
サイズ:B6(128×182mm)
製本:コデックス装
紙:FSC森林認証紙(ECFパルプ配合)
ダイアリー仕様:マンスリー・デイリー・月曜始まり
厚み:約24mm
重さ:384g
付録:月齢、六曜、天文暦の別添カレンダー、その他
価格:4,400円(税込)

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Q. この展示会を始めたきっかけ、みなさんのご関係・出会いはどのようなものだったのでしょうか

A. この3人展は同年代、似た感性を持った3人によるものです。普通、友人ができるのは学校や会社といった場所かもしれませんが、私たちの世代はSNSで公開される写真を見て、自分と似た感性を持つ人を知ることができます。そしてアクションして出会い、友人となります。学校や会社では感性やセンスの共有は難しいですが、SNSでそれが容易にできるのは良い点です。そして、感性が似ている人たちで「同時に動く」という潮流が生まれています。私たちは5年くらい前から親交を深めていて、コロナ前は一緒に愛媛に行ったり、食事をしたり、それぞれのクリエイティビティを話しながら交流してきました。3人展という場を共有し、これからゆっくり全国を回ろうと思っています。

2021年に行われた3人展の風景

革:ヌ

Q. 革小物をつくり始めたきっかけを教えてください。また鞄修理のお仕事をされているかと思いますが、いつ頃から始めたのでしょうか

A. 製靴専門学校で縫製、パターニングを学ぶなかで靴だけでなく革の立体物そのものに惹かれて鞄などを作り始めたことがきっかけです。
鞄の修理は、そこから鞄や物づくりの構造を学べると知り、専門学校に在籍中の2012年から研修を始めました。修理する過程でどんな場所が傷みやすいか、かたちや留め方の特徴から力のかかり具合なども把握することができます。その経験値が負荷を生まない作り、さらには修理をし易い形作りのヒントになっています。

上:フラットショルダーバッグ  中:口枠鞄角型 左から中サイズ、小サイズ  下:透明な生皮を使った、鞄の骨格標本


Q. 革を扱うことはどういった点に面白さがあるのでしょうか

A. 由来となる動物や鞣し方によってあるときは粘土のような手触りであったり、あるときは磨き上げた木目のような多様なテキスタイルを現すことが魅力です。
革は食肉による副産物であることから私はこの仕事を「与えられている」と捉えています。少しでも無駄なく、そして受け取って頂いた方の手元で道具として長生き出来るよう供養にも似た気持ちで手を動かしています。

Q. 革小物づくりで意識していること、ものづくりのコンセプト

A. 素材と製法のどちらもの利を最大限活かすような形づくりを心がけています。
また、既存のモデルにない新たな製法を追究することこそ作り続けられる糧だと考えています。

上:裁断のようす  下:鞄用のハイポストミシン


Q. 今回の展示会についてと作品コンセプト

A. 今回がかたがみ、solar.ヌでの三回目の合同展となります。会を重ねるにつれ次第に三者の焦点が合ってきたように感じています。

今年の締めくくりの会とも捉えていましてヌの製品の全てをラインナップします。
定番の口枠鞄は選べる素材を増やしていますし、とくに新型のフラットショルダーバッグはかたがみ監修 aynoma diary 2022 がスッキリ収まり、solarの作る服の生地との相性の良いバフ加工レザーを用いています。そんな合同展ならではの掛け合わせを愉しんで頂きたいです。

さらにaynoma diary 2022 の販売に合わせ特別なレザーカバー 「aynoma diary deer leather cover」をあつらえました。
自然環境へのリカバリーを意識した野生のニホンジカ素材を用いています。
風の時代にこそこの強い結び付きが生まれたと実感しています。

服:solar

Q.ご自身のブランドを立ち上げた経緯を教えてください

A. 専門学校在学中から卒業後も継続して服作りをしていました。自分なりにコンセプトやテーマを模索した時期が暫く続いた後、形にしたいものが決まった段階でひとつのコレクションを発表したのが始まりです。
以後発表形式を変えながら現在に至ります。
服はデザインが枯渇していると言われますが、制限の中に面白さがあり、色んな角度から洋服の見方を提案していけたらと考えています。

Q. solarの服はどんなコンセプトでつくっているのでしょうか

A. 一見どこにでもあるようで、どこにもない洋服を作っていけたらと思います。
シルエットや着心地、ディテールなどの服の外見に関わる具体的なコンセプトというより、「日本人である自分が洋服を作る」点について意識して制作しています。プロフィールの項でも触れましたが、洋服のデザインに対して新しい角度からアプローチしていく過程に日本的な美意識を持って臨めたらと考えています。
例えば欧州の装飾技法であるドロンワークを用いたシリーズは、洋服の歴史におけるアイコニックな型を引用し、そのディテールをドロンワークで象り、見立てることで新しい角度からの見え方を与えることを目標としています。

Q. 生地はどのように選ばれているのでしょうか。ディテールについてのお考えを教えてください

A. 定番の生地が数種類、それ以外は季節や展示会に合わせて自分の気分も加味しながら選定します。
絵型の段階では色のイメージを極力排して、生地の色や風合いを載せた時に初めて完成するようなプロセスを踏みます。自分の中では塗り絵の雛型を作り、毎度自分で色塗りをしているような感覚です。これはレディメイドというプロダクトデザインの手法にも影響を受けています。

左:定番のBack Pleats Coverall (ecru)/右:同上 襟元のプリーツ


Q. 在住されている岡山でどのように仕事をしているのでしょうか

A. 祖父が仕事をしていたスペースを改装して、工場として利用しています。パターンから縫製までの作業を一貫して手掛けています。

Q. 今回の展示会で出展される作品のコンセプトについて教えてください

A. 定番のキャンバスカバーオールを中心に、秋冬らしいウール地を載せた一点物をご用意します。丈の違い、生地の違い、縦軸横軸でのバリエーション展開でお見せしたいと考えています。ドロンワークの作品も含め、自己紹介になるようなラインナップを、と考えています。

ドロンワークをブザムに見立てたDress Shirt(ecru)

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